Information Processing
情報処理(実習)

放送大学 愛知学習センター(面接授業)

情報技術1:情報ネットワーク


「コンピュータとインターネットの利用」ではブラウザを使って インターネット上の情報にアクセスしてみました.「情報技術1: 情報ネットワーク」ではこのインターネット上を情報が流れる仕組 みについて講義と実習を行います. また,インターネットでは何ができるのかを考えます.

インターネットのアドレス

インターネット上の情報を取り出す時に使ったURL(Uniform Resource Locator)またはURI(Uniform Resource Identifier)についてもう一度考えてみましょう.

「ネットワークのネットワーク」として構築されたインターネット 上にはたくさんのコンピュータが接続されており,それらの中に格 納されている情報の場所と種類を文字列で示すことになっています. その文字列のことをURL(URI)と言います.
「http://isotope.sist.chukyo-u.ac.jp/info/index.html」というURL(URI)を例にして考えてみましょう.

URL(URI)の部分意味専門用語
http通信手順は何かプロトコル
isotope.sist.chukyo-u.ac.jpそのコンピュータがど こにあるのかアドレス
infoそのコンピュータ内のどこに情報が保存されて いるのかディレクトリ名
index.htmlファイルの名前は何かファイル名

専門用語についてそれぞれ説明しましょう.

プロトコル
コンピュータ間の通信手順を示しています.通信規約と言われること もあります.ここで使われているhttpはHyper Text Transfer Protocolの略で,ハイパーテ キスト(Hyper Text)形式で書かれた文書,すなわちホームページ の形式の情報をやりとりする手順を表しています. 人間の場合で例えれば,日本語や英語のような言語の種類と考えれば良い でしょう.プロトコル(言葉)が違えば,お互いに何の情報だかわ からないので,情報の伝達ができません.通信 を成立させるためには送る側と受ける側のプロトコルを必ず合わせ ます.インターネットでは情報を要求する側からプロトコル を指定して通信を行います.
アドレス
郵便で言えば送り先の住所に相当するものです. 例で見てみましょう.
郵便で使う住所: 日本国愛知県名古屋市昭和区八事本町101番地
「国名→県名→市名→区名→町名→番地→...」のように,横書 きにした場合,左から右へ順に並んでいます.
インターネットのアドレス: isotope.sist.chukyo-u.ac.jp
「コンピュータ名←学部名←大学名←組織の種類(教育機関)← 国名」のように,横書きにした場合,右から左へ 順に.(ドット)を区切り記号として並んでいます.
このように,左右の方向は違いますが大きな組織から段々と小さな 組織に階層化されていることがわかりま す.
相手の組織の場所がわからなくても,その上位の組織を中継すれば 相手の組織まで通信ができる仕組みになっているのです.
外国から日本国内へ送る郵便も,「JAPAN」とだけ書いてあれば,住 所が日本語で書かれていても届きます.これは「JAPAN」と書いてあ ればとりあえず日本の国際郵便局に送って中継し日本国内の配送は 任せるという仕組みと同じことなのです.
ディレクトリ名
住所(アドレス)がわかれば,建物(コンピュータ)が決まります. でも,その中にはいろいろな情報があり,どこに欲しい情報がある かわかりません. これも階層的に表す方が便利です. 例えば,「愛知県名古屋市昭和区八事本町101番地」には放送大学 や中京大学という組織があり,その中には学生課や教務課,人事課, 庶務課などたくさんの部署があります. 大学→課→人の順で目的の人物を捜し当てることができるのと同じ ように,/(スラッシュ記号)を区切り記号として左から右へ段々と 入れものを区別できる名前(ディレクトリやフォルダと言います) で分類します.
「info」は,info(情報処理)という講義情報 ディレクトリ(フォルダ)内にあるという意味を表しています.
ファイル名
そして最後に書かれたものが情報の名前(ファイル名)です.情報 の固まりのことをファイルと言います.
よって,「index.html」は,index.htmlという名前のハイパーテキ ストファイルという意味を表しています.
http以外にもたくさんのプロトコルがあります.また,情報を手に 入れるためには必ず接続するコンピュータを決めなければならない ので,インターネットで情報をやりとりする場 合には必ずアドレスが必要になります. ディレクトリ名やファイル名は省略されることもあります.

同じプロトコルを理解できるコンピュー タ同士が通信できます.逆に言うと,プロトコルさえわかれば,ど のような通信をしているのかは誰でもわかります.


インターネットで送っている情報

これまで,ホームページはhttpというプロトコルでコンピュータ間 を通信していると説明しましたが,この通信によって送っている ハイパーテキストファイルとはどのようなものでしょうか. 次の手順で,ハイパーテキストファイルの中身を覗いてみましょう.
  1. ブラウザを起動して下さい.
  2. 適当なホームページを表示してください.
  3. 「表示」メニューから「ソース」を選択し,クリックしてください.
新しく開いたウィンドウの中に表示されたものがハイパーテキストで書かれたファ イルの中身です.文字情報とともにいろいろな記号が入っています. 文字色や画像データの指定など,どちらかと言うと人間にはわかり にくいですが,コンピュータにはよくわかる形で書かれています.
このハイパーテキストのように送られる情報が人間の目に見える ファイルもあれば,そうでないものもあります.いずれにせよ,コ ンピュータにデータが届けば処理が行われ,人間にわかりやす い形(例えば画像)に変換してくれるのです.

目に見える情報は他の人も見ることが できます.重要な情報は他の人にはわからないように暗号化して通 信すると良いでしょう.


インターネットを使ったアクセス

プロトコル(通信手順または通信規約)さえ知っていればコンピュー タ間で直接会話(データ通信)することができます.英語の文法を知って いればアメリカへ行っても単語の意味さえわかれば何の話をしてい るかわかるのと同じことです.

さて,インターネットではどのようなプロトコルで通信をしている のでしょうか.難しそうに思えますが,これは意外と簡単で す.人が他の人と話をしながら言葉を伝える手順と同じなのです. 通信内容とその方向の例を次に示します.

情報要求者→こんにちは.お元気ですか?→情報提供者
←はい,元気です.←
→○○というファイルが欲しいのですが→
←それじゃ,送るよ←
→お願いします→
←(データ)←
←まだ送れるか?←
→まだ大丈夫→
←(データ)←
←まだ送れるか?←
→ちょっと待って→
→送って下さい→
←(データ)←
...繰り返し...
←これで終りだよ.届いたか?←
→はい,全部届きました.→
←じゃあね←
→ありがとうございました→
ここではプロトコルの詳細は示しませんが,どのプロトコルでもこれとほぼ同様の手順 でファイルが送られています.

プロトコルはユーザが自由に作れます. 有名なものはhttp,telnet,ftp,smtp,nntp等ですが,名前のないもの がほとんどです.もちろん,送受双方であらかじめプロトコルを知っ ていなければ通信できません.


インターネットでできること

これまでインターネットでどのように通信が行われているかを説明 してきましたが,これでやっと実際にインターネットで行われてい ることを説明する準備ができました.以下ではインターネットを使っ て行われている主なサービスについて説明します.
ホームページ
言わずと知れたホームページのことです.ハイパーテキスト形 式のファイルを送り合います.ファイル間のリンクも記述できるの で,たくさんの情報をつなぐことができ,情報を次から次へと眺め ることができます.ソフトウェアとして用意しなければならないも のは,情報発信側にhttpサーバソフトと呼ばれる情報の要求に応じ てファイルを送るソフトウェア,情報を要求する側にはブラウザと 呼ばれるソフトウェアです.
見栄えもきれいで簡単に情報を取り出すことができるので,インター ネットをあっと言う間に普及させた立て役者的存在です.
先にも書きましたが,知らず知らずのう ちに情報を提供していることもあるので注意しましょう.のめりこ んでいる時にはなかなか気づかないものです.
電子メール
電子メールは郵便のシステムをそのままインターネット上に実 現したものです. 住所と宛先に相当する電子メールアドレス(例: fmiso@sist.chukyo-u.ac.jp)を使って,相手に文字情報を届けます. ここでもインターネットのアドレスが使われています.

この電子メールのおかげで,世界中にいるインターネットユー ザと,瞬時にメールを交換できるようになりました.そのため,仕 事の効率がものすごく向上したのです.
例えば,日本の本社で仕事が終る頃アメリカの支社に電子メールを 送る場合を考えます.アメリカの支社に電子メールが届くのは朝で す.出勤した支社員が仕事の引き継ぎを受け業務を行い,就業終了前 にまた電子メールを日本の本社へ送ります.このようにすることで 24時間仕事が進みます.いままでは引き継ぎ書類を送るのに航空便 でも数日かかっていたのですから,ものすごい効率化です.

ところで,電子メールで送ることのできる情報は文字だ けですが,文字以外のデータ(画像や音声データなど)を文字に変 換することにより,どのような形式のデータも送ることができます. もちろん,そのようなメールの中身を人間が見てもなんだかわからない 文字ばかりですが,コンピュータはそれを自動的に元のファイルに 戻してくれます.このような電子メールへのファイルの添付は「書 類の添付」と呼ばれています.

電子メールのシステムに必要なソフトウェアについて考えてみましょ う.まず,郵便局に相当するコンピュータではsmtpサーバソフトとpopサーバソフトを動かし ます.smtp(Simple Mail Transfer Protocol)は郵便局間で電子メー ルを中継するために使うプロトコルです.pop(Post Office Protocol)はユーザの要求に対して郵便局が電子メールを渡すため に使うプロトコルです.
ユーザ側のパソコンに必要なソフトウェアは,電子メールソフトと 呼ばれるソフトウェアで,指定したsmtpサーバへ電子メール を送り,指定したpopサーバから電子メールを受け取ります. 自宅のポストまで電子メールが配送されるというよりも,郵便局の私 書箱までユーザが受け取りに行くというイメージです.
普通の郵便と同様に,広告などのダイレ クトメールが送られてくることもあります.インターネットを使っ たメールの送信には郵送費が発生しないので,簡単にダイレクトメー ルを送れてしまいます.
ちなみに,このようなメールをSPAMメールと呼びます. SPAMとはもともとアメリカ製の缶詰ハムのことで,ウェイトレス (接客係)たちが「SPAM,SPAM,SPAM,...」とお客さんに向かって言 い続けるのでSPAMを注文せざるを得なくなるというMonty Pythonの歌が現在の無差別メールの意味になっていると言われてい ます.缶詰のSPAMには何の罪もありません.

電子ニュース
電子ニュースは,新聞というよりも掲示板をそのままインターネッ ト上に実現したものです.たくさんのジャンル(ニュースグループ と言います)があります.誰でも書き込むことが できるわけではないので,それなりの秩序が維持できるユーザが多 いのも特徴でしょう.

これも電子メールと同様に掲示板の情報を保持するnntpサーバが世 界中にたくさんあり,互いに情報交換をしています.そしてユー ザはニュースソフトを起動してnntpサーバにアクセスして情報を取 得したり投稿したりします.(nntp=Net News Transfer Protocol)
内容が公にさらされるので,投稿 された情報の内容を管理者がチェックした上で掲載されるニュース グループもあります.

インターネットテレビ
インターネット上で放送局を実現したものです.中継情報がサーバ から一斉に発信され,ユーザはそれを受信するというものです. 通信速度がそれなりに速くないと画像や音声が途切れることがあり ます.最近では有名な音楽アーティストがライブステージをインター ネット中継することもよくあります.
画像(ビデオ)情報は情報量が大きいの で,速い回線でないと他の人の通信に迷惑をかけることがあります. 道路と同じで,他の人のことも考えて使いましょう.
FTP
File Transfer Protocol(ファイル転送プロトコル)の略で, プロトコルの名前がそのまま名前になっているほど有名なサービス です.遠隔地のコンピュータとの間でファイルを転送するためのプ ロトコルです.
著作権のあるもの(データ,プログラム 等)をファイルにして不正にコピーしてはいけません.

これまで主なものだけですが列挙してきました.しかし,プロトコ ルは送信する情報の種類だけあります.今後どのようなプロトコル が出てくるかが楽しみです.

課題(宿題)

  • 趣味や生活の中で,興味があったり調べたいと思っている言葉 (単語)をいくつか列挙してきて下さい.例えば「ガーデニング」 や「釣り」,メーカーの名前でも結構です. 明日(2日目)の実習に使いますので,忘れないように.
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    2012.06.03.
    fmiso at sist.chukyo-u.ac.jp