実験報告書(レポート)の書き方
実験報告書(レポート)の書き方について説明されています。
用紙はA4縦のレポート用紙を用いる。ワープロ打ちの場合は、A4縦の白色
紙を用いる。諸君は情報科学部生であるから、ワープロによる清書が望ましい。
また読みにくいレポートは、その程度によっては無効(つまり未提出扱い)と
する場合もある。
Z={R2 +(ωL- 1/ωC)2}1/2 (25)
ここで、
グラフには横軸、縦軸に表わす数、量の名、説明を簡潔に書き、続けて目盛り
の単位を[mA]の様に括弧内に書く。
[1] 中京大学情報科学部: "ハードウエア実験指導書," 中京大学出版, pp.50-73,1996.
注: pp.はpagesをあらわす。
レイアウト
読み易く、視覚的にも美しい仕上げとなるよう、適切な段落、字詰め、行間隔、
図、表のレイアウトを工夫する。
数表や数式の誘導、変形、証明などで、報告書としての全体の流れを阻害する
と思われるほど長くなるものについては、報告書の最後に付録として独立させ
てもよい。
ページ数、総文字数に特に制限をつけないが、すべてを尽くしてしかも簡潔で
ある必要がある。
実験値処理
実験で用いる数値(測定した値など)は、すべて測定した値の有効数字に従う
ものとする。計算により得た値の有効数字に注意する。また関数による近似表
現でその関係を表わせるような実験結果の数値は、最小二乗法などによりその
関数式を推定または決定し、この関数式が既知である場合は計算により理論値
を求めて、表、または図として、測定した実験値と比較し検討する。
数式
数式で用いる記号類は、前もって定義するように心がける。または数式の直後
に定義を列挙してもよい。
重要と思われる数式には通し番号をつけて本文中で参照できるようにする。な
お数式の前後は半行(または1行)の空白行を挿入する。次に例を示す。
Z: 直列回路のインピーダンス[Ω]
ω: 回路に加えられた正弦波交流の角速度[rad/s]
図、表
表と図は、それだけを見れば実験の全体像が浮かぶよう、不足のないようにし
なければならない。
学生実験の報告書であるため、実験で得られたデータはすべて数表としてまと
め、グラフ化できるものはグラフ化する。
図や表には通し番号と説明文をつける。この説明文は表の場合は上に、図の場
合は下に書くのが慣習である。例を次に示す。
図1:μA741の最大出力電圧振幅対周波数[2]
注: [2]は参考文献番号の書き方の例
図2:オシロスコープ波形観測結果の例
図3:電圧と時間の関係を表すグラフの例
図4:タイミングチャートの例
図5:回路図の例
グラフの測定点を結んで測定曲線を描く場合、フリーハンドで描かず、曲線定
規などを使用して滑らかな線を描く。物理量の測定値は誤差を含まない絶対的
なものでないので、特殊な場合を除き、すべての側定点を結ぶ折れ線グラフと
はしない。
また原則として、掲載した図や表は、本文中で一度も言及されないということ
のないようにしなければならない。
参考文献
出版物からの図、表、文などの引用は、文ではその部分を括弧、下線、段落な
どで明確に区別した上で、その出所を明らかにしなければならない。上記図1
説明文の末尾にある"[2]"がその例である。
「ハードウエア実験指導書」からの引用(無断引用)は、禁止はしないが最小
限度にとどめ、文章の段落全体をそっくり書き写すことのないようにする(せ
めて要約せよ)。
参考文献は、著者、書名、出版社、頁、発行年の順に下の例のように書く。
[2] Texas Instruments Inc.: "The Linear Circuits Data Book," pp.7-245, 1990.
雑誌については、著者、標題、雑誌名、巻、号、頁、発行年月を、この順に書く。
2000.04.01.
fmiso@sccs.chukyo-u.ac.jp