ブレッドボード
図1 ブレッドボード解説図
実験で回路を作製する場合、部品の取り付け・取り外しが簡単に行える必要が
ある。ブレッドボードは、それを実現するための道具である。無数にある表面
の穴(ソケット)は内部で電気的に接続されており、それらのソケット群を回
路図中の導線部分として利用することで、ソケットに電線や素子の端子を差し
込むだけで回路を構成できる。ブレッドボードは、2種類のブロックから構成
されている。1つは電源供給用の細いブロック1(以下、電源用ブロック)、
もう1つは電子部品を配置し配線するための少し太めのブロック2(以下、配
線用ブロック)である。それぞれのブロックの表面には穴が開いるが実はこれ
らは小さなソケットになっており、ブロック内部である規則に従い電気的に接
続されている。これらのソケットに導線を差し込むと、電気的に接続されてい
るソケット間(以下ソケットグループ)で電気が流れる仕組みである。従って
ブロック内部での接続状態を知らないと、正しく配線することはできない。電
源用ブロックでは、ブロックの長手方向に穴が2列並んで開いているが、その
列毎にまとめられ相互接続されている(つまり1つの電源用ブロックには、2
組のソケットグループが存在する)。配線用ブロックでは、先ほどとは逆に長
手方向には全く接続されておらず、長手方向と垂直をなす列毎にソケットグルー
プを構成している。ただし、ブロック中央の溝で接続が切れているので、5つ
のソケットで1つのグループを構成している(つまり5つのソケット毎に接続
しているグループが、ブロックの長手方向に並んでいることになる)。
ブレッドボードの初期化
ブレッドボードの初期化作業は、
- (既に実験を行っている場合)ブレッドボードから必要のない配線や部品
を除去する。
- 電源の配線を行う(または確認する)。電源装置からの配線は直接ブレッ
ドボード上の回路へ配線するのではなく、ブレッドボード右上にある電源用ポー
ト3を経由させるとよい(電源装置から回路へ直接配線すると、ブレッドボー
ドの移動で電源の配線だけでなく回路の配線まで抜ける可能性があるため)。
の2点である。まれにソケット内部に(以前の利用者が残した)導線が入って
いる場合があるので、発見したら実験指導教員に報告すること。
ブレッドボードで回路を作るには
ブレッドボード上に回路を組み立てる方法は、
- ブレッドボード上で配線しやすいように、回路図を書き直す(レポートに
は、それではなく見やすい回路図を載せること)。
- 電源の必要な回路では、まず電源の配線を済ませる。
- 部品を配置し、信号線などを配線する。導線や電子部品は、ブレッドボー
ドに対して垂直に差し込むこと(卓上のペンチを用いると作業が楽になる)。
の3点である。上手に配線するコツは、可能な限り少ない配線で済ませること
である。また配線で大きな失敗をしないコツは、組立と動作確認を小さな機能
単位でこまめに行うことである。
ブレッドボードの終了(管理)方法
ブレッドボードを管理する上での注意点は、
- ブレッドボード上の回路は、次回以降の実験で用いる場合もあるので、必
要の無い回路のみを除去する。
- 導線や電子部品は、ブレッドボードに対して垂直に抜き取るようにする。
こじったりすると、ソケット内部に折れた導線が残ることがある。
- 電源の配線は取り除いてしまうのではなく、次回も利用できるように整備
しておく。
- ハードウェア実験終了時(つまり期末)には、全ての配線を除去し借り始
めの状態に戻すこと。
の4点である。特に4点目は忘れられやすいが、(後かたづけも実験の内であ
り)怠ると評価が下がるので注意すること。
デジタルマルチメータ
図2 デジタルマルチメータ解説図
デジタルマルチメータは、電圧や電流、抵抗値の測定を効率よく行うための装
置である。4つの基本モード(直流電圧測定3、交流電圧測定11、直流電流
測定9、交流電流測定10、抵抗値測定5)があり、計測する対象に応じて使
い分ける。なお交流測定時の有効周波数は、電圧計測時で40Hz〜1kHz、
電流計測時で40Hz〜400Hzである。
デジタルマルチメータの初期化
デジタルマルチメータを使用する前に、
- バッテリーのチェック(BTサイン12が表示部に出ているかどうか見る)。
- テストリードの接続(赤は[+]6、黒は[COM]7へ)。
- HOLDスイッチをOFFにする。
の3点を行う。バッテリーが減っているようなら、指導教員に申し出ること。
直流電圧・電流、交流電圧・電流を測定するには
ここでは直流電圧、直流電流、交流電圧、交流電流の測定方法について記述す
る。モード選択以外の操作は、同一である。
- モードダイアル4を、目的の測定モードに合わせる。測定モードは、直流
電圧測定3、交流電圧測定11、直流電流測定9、交流電流測定10である。
- 測定する電圧が全く未知の場合、大きいレンジ(ダイアルの周囲に書いて
ある数字)から小さいレンジへ切り替えて測定を行う(切り替えるポイント:
ダイアルの数字は、そのレンジの最大値を表している。表示部の値が次のレン
ジ(今より一つ小さいレンジ)よりも小さい場合は、次の(1つ小さい)レン
ジに切り替える。また表示部の左端に1(または−1)が表示されていたら1
つ大きいレンジに切り替える)。なお交流電流測定モードの12Aレンジは、
使用しないこと。
- テストリードの黒を回路の基準電圧へ、赤を測定する回路へ接触させる。
- 表示を読む(有効数字は計算時に考慮すればよいので、読めるだけ記録す
る)。
基準電圧は普通0Vであるが、0Vを取れない場合は自分で基準電位を適当に
定め、その電位を基点にして測定すること。またダイアルの周囲に書かれてい
る数字の単位は、Vはボルト(電圧)、Aはアンペア(電流)、Ωはオーム
(抵抗)である。また単位の前にある、mはミリ(×10―3)、kはキロ
(×103)、Mはメガ(×106)である。
抵抗の値を計るには
抵抗値を計るには、
- モードダイアル4を抵抗値測定モード5に合わせる。
- 抵抗の両端から出ている2本の導線に、赤と黒のテストリードをそれぞれ
接触させる(抵抗に極性はないので、黒のテストリードはどちらの導線にあて
ても良い)。
抵抗の端子とテストリードを指で押さえて接触を助けると、人体の抵抗値も加
わり正確な値が得られない。ブレッドボードなどを用いて、抵抗を固定すると
よい。
導通をチェックするには
導通チェックとは、「(一連の導線を伝って)電気が流れるかどうかを調べる」
ことである。例えば、ブレッドボード上の配線が意図したとおりに接続できて
いるかどうか調べるときに用いる。
- モードダイアル4を導通チェックモード8に合わせる。
- 調べたい配線の端と端に、テストリードの黒と赤を接触させる。「ピー」
と音がすれば導通している。ただし、配線の途中に電子部品など導線以外の部
分が存在しないことを十分確認すること。導線以外の部分があると、導通チェッ
クできない場合がある。
調べる配線の区間を長くしすぎると、かえって「調べるときの配線選択ミス」
が出やすいので、目で追える位の配線区間で導通チェックすると良い。
デジタルマルチメータの終了方法
実験終了時には、
- モードダイアル4をOFF(4個所の内のどれでも可)にセットする。
- テストリードを外し、まとめて元の位置へ戻す。
の2点を必ず行うこと。
直流安定化電源装置(直流電源)
図3 直流安定化電源解説図
ここで説明する直流安定化電源装置は、家庭用の交流100Vを(実験に適し
た)安定した直流電圧に変換する装置である。
直流安定化電源装置の初期化
電源装置は、電子部品に電力を与えるが、同時に使用方法を誤ると電圧を加え
すぎて部品を破壊することもある。必ず以下の初期化手順を行ってから、回路
へ接続すること。
- 電源装置の電源スイッチ6が切れていることを確認する。
- 0V選択金具3が、−側ポート4に接続されているか確認する。0V選択
金具が+側ポート5に接続されている場合は、中央のねじをゆるめ、0V選択
金具を−側ポートに接続し、ねじを締めて固定する。
- 電圧粗調整ツマミ9と電流調整ツマミ7を、反時計回りに止まるところま
で回わし、電圧微調整ツマミ8を12時の位置に合わせる。
これで、電圧は約0V、電流は0Aの状態である。
電圧を調整するには
出力電圧を調整するには、
- (すでに実験回路へ電力を供給している場合)
電源装置の電源スイッチ6をOFFにし、実験回路への電源供給配線を外し、
再び電源スイッチをONにする。これは、電圧設定中の操作ミスによる実験回
路の破壊を防ぐ為である。
- (最初の電圧調整の場合)
電流調整ツマミ7をわずかに時計回りに回す(電流が全く流れていない状態で
は、電圧計1が作動しないため)。電流調整ツマミを回す量は、多くても8分
の1回転程度でよい。
- 電圧計1を見ながら電圧粗調整ツマミ9をゆっくりと時計回りに回転させ、
大体目的の電圧になったところで電圧微調整ツマミ8によって微調整する。
- 実験回路に接続する前に、電源スイッチをOFFにする。
- 実験回路へ接続し、電源スイッチをオンにし、電流調整ツマミにより電流
を調整する。電流計2を見ながら徐々に時計回りに電流調整ツマミを回転させ、
電流の増加が無くなったところから少し回して回転を止める。
であるが、以下の電流調整方法を確認してから実験回路に接続すること。
電流を調整するには
電源装置の設定が完了しても、実験回路に短絡などの間違いがある場合、大き
な電流が流れることがあり危険である。そのような場合でも、電流調整ツマミ
による制限を加えてあれば、完全な破損まである程度時間稼ぎができる。
- 電源装置の電源スイッチ6をOFFにし、実験回路に接続する。
- 電流調整ツマミ7を反時計回りに止まるまで回す。
- 電源スイッチをONにする。
- 電流計2を見ながらゆっくりと電流調整ツマミを時計回りに回し、電流計
の針が動かなくなったところから少し回して電流調整ツマミを止める。しかし
電流計の針が振りきった場合は、即座に電源スイッチを切り実験回路の誤りを
見つけること(大きな電流が流れた後は、回路が加熱しているので火傷しない
ように注意する)。
以上、安全に実験を行うために電流計の針の動きには常に十分注意し、電流
調整ツマミは必要以上に回さないようにする。
マイナスの電圧を発生させるには
実験によっては、マイナスの電圧が必要となる場合がある。マイナスの電圧を
発生させる手順は、
- 電源スイッチ6をOFFにし、実験回路への電源供給配線を外す。
- 0V選択金具3のねじをゆるめ、+側ポート5へ接続し、ねじを締めて固
定する。
- +側ポートを0V(−側ポート4からはマイナスの電圧が出力される)と
して、電圧調整を行い、実験回路へ電源供給配線を施す。
である。実験が終わったら、即座に0V選択金具を−側ポートに接続し直して
おくこと。
プラスの電圧とマイナスの電圧を同時に発生させるには
実験によっては、プラスとマイナスの電圧が同時に必要となる場合がある。そ
の手順は、
- 電源装置を2台用意し、両方とも電源スイッチ6をOFFにし、実験回路
への電源供給配線を外す。
- 向かって左側をプラス電圧発生用、右側をマイナス電圧発生用とする。
- マイナス電圧発生用電源装置(右側)で、0V選択金具3のねじをゆるめ、
+側ポート5へ接続し、ねじを締めて固定する。
- プラス電圧発生用電源装置(左側)の−側ポート4とマイナス電圧発生用
電源装置(右側)の+側ポートを導線で接続する(これで両電源装置の0Vが
一致する)。
- プラス電圧発生用電源装置(左側)の+側ポートをプラス電圧、−側ポー
ト(あるいはマイナス電圧発生用電源装置の+側ポート)を0V、マイナス電
圧発生用電源装置(右側)の−側ポートをマイナス電圧として、電圧調整を行
い、実験回路へ電源供給配線を施す。
である。実験が終わったら、即座に0V選択金具を−側ポートに接続し直して
おくこと。
直流安定化電源装置の終了方法
電源装置の終了処理で重要なことは、次に誰かが使っても危険がないようにし
ておくことである。つまり初期化手順と同様に、
- 電源装置の電源スイッチ6がOFFになっていることを確認する。
- 配線を除去し、設定等で変更した部分を元に戻す。
- 電圧粗調整ツマミ9と電流調整ツマミ7を、反時計回りに止まるところま
で回わし、電圧微調整ツマミ8を12時の位置に合わせる。
の3点を行う。
ファンクションジェネレータ(交流電源)
図4 ファンクションジェネレータ解説図
ファンクションジェネレータは、交流電圧の電源として用いる。ファンクショ
ンジェネレータには、直流安定化電源の様に電圧を一定に保つ(交流の場合は
振幅を保つ)機能は無く、接続した回路の負荷により振幅が変化するので注意
する。
ファンクションジェネレータの初期化
ファンクションジェネレータも、直流安定化電源と同様の理念で初期化作業を
行う。
- 電源スイッチ11をOFFにする。
- STARTスイッチ3をOFF(飛び出した状態)にする。
- 出力調整ツマミ7を反時計回りに止まるまで回す。
- 直流成分調整ツマミ8を押し込み、12時の位置に合わせる。
- アッテネータ設定スイッチ5を、0dBに合わせる。
- VCG ONスイッチ2をOFF(飛び出した状態)にする。
- 600オーム出力コネクタ4に出力コードを取り付ける。
- 出力コードのワニ口クリップ(黒)を実験回路の基準電圧として接続し、
ワニ口クリップ(赤)を交流電圧として実験回路に接続する。
- 電源スイッチをONにする。
- STARTスイッチをON(押し込んだ状態)にする。
出力コードの先端はワニ口クリップとなっており、先端が勝手に接触して短絡
する事故が起こりやすい。短絡は、ファンクションジェネレータの故障につな
がるので注意する。
周波数を調整するには
周波数の調整は、以下の手順で行う。
- 周波数粗調整ダイアル10で、周波数の桁を設定する。
- 周波数微調整ダイアル9で、周波数を設定する。
ダイアルでの設定では正確な周波数を設定できないので、厳密に設定しなけれ
ばならない場合はオシロスコープで確認する。
振幅を調整するには
ファンクションジェネレータは接続された負荷によって振幅が変化するので、
必ず実験回路を接続し、以下の手順で振幅を調整すること。
- 実験回路に接続し、電源スイッチ11とSTARTスイッチ3をON(押
し込んだ状態)にする。
- オシロスコープかデジタルマルチメータで振幅を確認しながら、出力調整
ツマミ7をゆっくり時計回りに回し、目的の電圧になったら止める。
波形を変更するには
ファンクションジェネレータは、3種類の波形(正弦波・三角波・方形波)か
ら波形を選択できる。方法は、波形選択スイッチ6で目的の波形を選択するだ
けである。
直流成分を設定するには
実験によっては、交流波形に直流成分を加えなければならない場合がある。直
流成分を加える方法は、
- 実験回路に接続し、電源スイッチ11とSTARTスイッチ3をON(押
し込んだ状態)にする。
- 直流成分調整ツマミ8を12時の位置に合わせた上で、手前に引き出す。
- 正の直流成分を加える場合は、時計回りに直流成分調整ツマミをゆっくり
回し、目的の直流成分が得られたら止める。
- 負の直流成分を加える場合は、反時計回りに直流成分調整ツマミをゆっく
り回し、目的の直流成分が得られたら止める。
装置の誤操作を避けるため、直流成分が必要なくなったら即座に直流成分調整
ツマミを押し込んでおくこと。
出力を非常に小さくするには
実験によっては、非常に小さな交流電圧が必要になる場合があり、以下の手順
で設定する。
実験回路に接続し、電源スイッチ11とSTARTスイッチ3をON(押
し込んだ状態)にする。
アッテネータ設定スイッチ5を0dBから−20dB(必要なら−40d
B)へ変更し、振幅を調整する。
装置の誤操作を避けるため、実験が終わったら即座にアッテネータを0dBに
戻しておくこと。
TTLレベル出力(論理回路用出力)にするには
論理回路の実験では、TTLレベル出力が必要となる。TTLレベル出力にす
るためには、出力コードをTTLレベル出力コネクタ1に接続する。TTLレ
ベル出力では、波形選択スイッチの設定に関わらず方形波となる。
装置の誤操作を避けるため、実験が終わったら出力コードを600オーム出力
コネクタ4に接続し直しておくこと。
ファンクションジェネレータの終了方法
初期化と同様に、直流安定化電源装置と同じ理念で終了処理を行う。
- STARTスイッチ3をOFF(飛び出した状態)にする。
- 電源スイッチをOFF11にする。
- 実験回路への配線を除去する。
その他の注意として、出力コードはファンクションジェネレータから外す必要
はないが、ワニ口クリップが互いに触れ合ったり、かみ合わさった状態で放置
しないこと(次の利用者が電源を入れたときに、ファンクションジェネレータ
が破損する危険性がある)。
オシロスコープ
図5 オシロスコープ解説図
オシロスコープは、交流波形を観測するための装置である。実験で使用するオ
シロスコープは、2つの入力波形を同時に表示する機能(2現象表示)を持つ。
またオシロスコープで波形を表示する際には、1周期分の波形ができるだけ大
きく表示されるように調整し、その状態で記録を取ること(記録は1周期分で
よいし、大きく表示すれば読みとり精度も向上する)。また観測できる波形の
振幅は5[V/DIV]から5[mV/DIV]、周期は5[S/DIV]か
ら0.2[μS/DIV」である(KIKUSUI5020の場合)。
オシロスコープの初期化
オシロスコープの初期化手順を、以下に示す。
必須項目(CH1の表示位置調整含む):
- 電源スイッチ1をONにする。
- [VERT MODE]スイッチ14を、[CH1]に設定する。
- [TIME/DIV]ツマミ23を、時計回りに回し0.2μSに合わせる。
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチ5を、[GND]に設定する。
- CH1の[POSITION]ツマミ12を適当に回転させ、輝線の表示
位置を適当な位置(普通はブラウン管中央)に合わせる。
- [FOCUS]ツマミ3で、輝線がシャープに映るように調整する。
- [INTEN]ツマミ2で、輝線の明るさを調整する。
- [ILLUM]ツマミ4で、目盛りの明るさを調整する。
- [VARIABLE]ツマミ25を、(カチッと音がするまで)時計回り
に回しきる。スイッチが飛び出している場合は、押し込んでおく。
- [LEVEL]ツマミ22(茶色)を、反時計回りに(カチッと音がするまで)回しきる。
- [LEVEL]ツマミ22(白色)を、ツマミ回転範囲の中央付近に合わせる。
- [SWEEP MODE]スイッチを、[AUTO]22に設定する。
- [SLOPE]スイッチ21を、[+]に設定する。
- [COUPLING]スイッチ17を、[DC]に設定する。
- [SOURCE]スイッチ16を、[INT]に設定する。
- [INT TRIG]スイッチ8を、[VERT MODE]に設定する。
これは、画面に表示されている波形に同期する設定である。波形表示をCH1
に同期させるときは[CH1]に、CH2に同期させるときは[CH2]に設
定する。
- CH1とCH2の[VOLTS/DIV]ツマミ7&9(黄色)を、両方
とも時計回りに(カチッと音がするまで)回しきる。スイッチが飛び出してい
る場合は、押し込んでおく。
1つの波形を観測するには
CH1の準備:(1から4までは、表示位置調整)
- [VERT MODE]スイッチ14を、[CH1]に設定する。
- [TIME/DIV]ツマミ23を、時計回りに回し0.2μSに合わせる。
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチ5を、[GND]に設定する。
- CH1の[POSITION]ツマミ12を適当に回転させ、輝線の表示
位置を適当な位置(普通はブラウン管中央)に合わせる。
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチを、[DC]に設定する。交流
成分のみを表示するときは[AC]に設定する。
- CH1のBNCコネクタ6に、プローブを接続する。
(参考)CH2の準備:(1から4までは、表示位置調整)
- [VERT MODE]スイッチ14を、[CH2]に設定する。
- [TIME/DIV]ツマミ23を、時計回りに回し0.2μSに合わせる。
- CH2の[AC−GND−DC]スイッチ11を、[GND]に設定する。
- CH2の[POSITION]ツマミ13を適当に回転させ、輝線の表示
位置を適当な位置(普通はブラウン管中央)に合わせる。スイッチが飛び出し
ている場合は、押し込んでおく。
- CH2の[AC−GND−DC]スイッチを、[DC]に設定する。交流
成分のみを表示するときは[AC]に設定する。
- CH2のBNCコネクタ10に、プローブを接続する。
次にプローブを実験回路に接続する。プローブのワニ口クリップは、実験回路
の基準電圧に接続し、プローブの先端を使って目的の回路から電圧を取り出す。
最後に以下の手順で、表示を調整する。
- [TIME/DIV]ツマミ23を適当に回転させ、1波長が大きく画面
に表示されるように調節する。
- CH1(あるいはCH2)の[VOLTS/DIV]ツマミ7or9を適当
に回転させ、波形が大きく画面に表示されるように調節する。
- [POSITION]ツマミ12or13&24を適当に回転させ、波形の
数値が読みとりやすくなるように調節する。
2つの波形を同時に観測するには
まず以下の手順により、2現象表示の準備を行う。
- [TIME/DIV]ツマミ23を、時計回りに回し0.2μSに合わせる。
- [VERT MODE]スイッチ14を、[CH1]に設定する。
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチ5を、[GND]に設定する。
- CH1の[POSITION]ツマミ12を適当に回転させ、輝線の表示
位置をCH2と重ならない様に、かつ目盛り横線のどれかに合わせる。
- [VERT MODE]スイッチ8を、[CH2]に設定する。
- CH2の[AC−GND−DC]スイッチ11を、[GND]に設定する。
- CH2の[POSITION]ツマミ13を適当に回転させ、輝線の表示
位置をCH1と重ならない様に、かつ目盛り横線のどれかに合わせる。
- (CH1とCH2の両方を表示させるため)[VERT MODE]スイッ
チを、[CHOP]に設定する。
- CH1とCH2のBNCコネクタ6&10に、プローブを接続する。
次にプローブを実験回路に接続する。2つのプローブのワニ口クリップは、実
験回路の基準電圧に接続しなければならないが、これらはオシロスコープ内部
で接続されているので、2つのワニ口クリップ間で電位差が発生しないように
場所を選んで接続する。またプローブの先端を使って、目的の回路から電圧を
取り出す。
最後に以下の手順で、表示を調整する。
- [TIME/DIV]ツマミ23を適当に回転させ、1波長が大きく画面に表示されるように調節する。
- CH1とCH2の[VOLTS/DIV]ツマミ7&9を適当に回転させ、
波形が大きく画面に表示されるように調節する。ただし2つの波形が接触しな
いように、また上下位置も調整しながら行うこと。
- [POSITION]ツマミ12&13&24を適当に回転させ、波形の
数値が読みとりやすくなるように調節する。
基本は「波形を読みとりやすく表示する」であるから、形式にとらわれる必要
はない。例えば、位相のずれを調べるときにはCH1とCH2の0V位置を同
じにした方が見易い。
オシロスコープの終了方法
オシロスコープの終了手順は、以下の通り。
- 電源スイッチ1をOFFにする。
- プローブを実験回路から外す。
- プローブをオシロスコープBNCコネクタ6&10から外す。
外したプローブは、所定の位置に戻しておくこと。
卓上電源タップ
全ての機器は、卓上電源タップからAC100Vを供給されている。この電源
タップにはパイロットランプを兼ねた電源スイッチが付いているので、実験開
始時にON、実験終了時にOFFにすること。電源タップのスイッチをOFF
にすることも、かたづけの1つである。
部品図鑑
コネクタ類
名称 | 図 |
プローブ | |
テストリード | |
バナナチップ | |
BNCコネクタ | |
素子
名称 | 図 |
抵抗 | |
トランジスタ | |
ダイオード | |
発光ダイオード(LED) | |
コンデンサ | |
IC | 左下が1番ピンで反時計周りにピ
ン番号が増える |
測定用パソコン
実験指導書(ホームページ版)を閲覧したり、オシロスコープの代わりに波形
を測定可能なノートパソコンを希望者に貸し出しています。
このパソコンを使うことにより、以下のことができるようになり、レポート作
成に大変重宝します。
- 波形を画像データとして取り込むことができる。
- 取り込んだデータをそのままレポートに貼り付けることができる
- 任意の波形を発生させることができる。
- 実験指導書を閲覧できる。
- 測定したデータをファイルサーバに保存でき、ガーデン・演習室等から取
り出すことができる。
ハードウェア
用意されているノートパソコン(30台)の仕様は以下のとおりです。
インストールされているソフトウェア
用意されているノートパソコン(30台)のにインストールされているソフト
ウェアは以下のとおりです。
- Microsoft Windows98 SE
- Microsoft Office 2000 Professional
- データ収集システム用ソフト
- REX-5054用ライブラリ
- REX-5055用ライブラリ
- TeraTermPro
- WS FTP
ファイルサーバ
hardware.sccs.chukyo-u.ac.jpがファイルサーバとして稼働しています。イン
ターネットからはこのホスト名でログインすることができます。ログイン名と
パスワードは教員から指示を受けて下さい。
実験室内部からはwww.hardware.sccs.chukyo-u.ac.jpまたは192.168.0.254で
アクセスできます。
実験室内部からはftpまたはネットワークコンピュータを介してデータを保存
してください。
インターネット側からはftpでデータを取り出してください。
利用方法
データ収集システムはオシロスコープと同様な操作で波形を表示させ、画像を
取り込みます。
直接の指導はしませんので、オンラインマニュアル等を利用して問題を解決し
てください。
2000.04.01.
fmiso@sccs.chukyo-u.ac.jp