Transistor Circuit
実験課題：トランジスタ回路（全２回）

実験課題「トランジスタ回路」の実験手順について書かれています。
注意：あらかじめ、トランジスタの静特性グラフから設計する方法を調べてくること。

実験１：固定バイアス方式交流増幅回路

配布された「トランジスタの静特性グラフ」から、図１の固定バイアス方式交流増幅回路を設計し製作せよ。設計は、まず特性曲線から動作点を定め、 VBE　, RC , RBを決定する。次に特性曲線の描かれた図上に負荷線を引く。設計定数の計算過程も示すこと。
ただし、ＶCC は 10.0V、Ci , Coは 10μFの電解コンデンサ（電解コンデンサには極性があるので取付注意）を用いる。また負荷抵抗RCは、 5kΩの可変抵抗Rvと 100～330Ω程度の固定抵抗 RKの和で構成する。またRBとして、１本の固定抵抗で設計値通りの抵抗値が得られない場合は、近い値の固定抵抗を使用する。そして、設計をそのRB値からやり直すか、または以下に行う実験において、RB値が設計値と異なるが故に、結果に及ぼした影響についてレポートで考察せよ。

図１：固定バイアス方式交流増幅回路
前項で製作した交流増幅回路に、ファンクションジェネレータから周波数 1kHz、振幅 10mV（ファンクションジェネレータのアッテネータを -40dBにするとよい）の正弦波交流電圧 viを印加して正常に動作することを確認（voとして 1V以上の正弦波電圧が観測できれば正常）した後、次の実験を行う。
(1)入力信号電圧 viと、ベース－エミッタ間の電圧波形と比較して、後者は直流バイアス電圧 VBEに入力正弦波信号 viが付加されていることを確認して記録し、直流バイアス電圧 VBEの値を測定し、設計値と比較せよ。
注意：0VのラインとVBEの波形がよくわかるように、オシロスコープの画面いっぱいに表示させること。
(2)次の条件で負荷抵抗 RC を変化させ、RC両端間の電圧波形（RCが純抵抗であるため、コレクタ電流波形と相似であることに留意）を観測し、RCの値とその波形を記録せよ。
- RCの値を設計値より大きくしてゆき、設計値よりも相当大きな値にした場合。
- RCの値が設計値付近である場合。
- RCの値を設計値より小さくしてゆき、設計値よりもかなり小さくした場合。
終了後は、RCを設計値に戻し以下の実験を行う。
注意：3種類の観測結果の違いが良くわかるように、波形の位相をそろえてから記録すること。
(3)コレクタ－エミッタ間（VCE）の電圧波形を観察して記録せよ。またその直流電圧成分の値（無信号時または信号電圧の中心）を測定して設計値と比較せよ。
(4)出力信号 voを観測して③の観察記録と比較し、結合コンデンサ Coの機能を説明せよ。
(5)入力信号電圧 viと出力電圧信号 voを同時観測してトランジスタの増幅作用を確認し、その増幅率を求め、さらに両者の位相関係を観測して報告せよ。
注意：(3),(4),(5)の観測結果が対比できるように、波形の位相をそろえて記録すること。また、オシロスコープのプローブを同時に２箇所に接続する場合、プローブのグラウンド（GND：ミノムシクリップの端子）はオシロスコープ内部で接続され（短絡し）ている（つまり等電位になる）ことに注意すること。

検討課題

上記実験の(2)は、出力特性図の上で負荷線（の勾配）を変えることに相当する。この実験の３つの観測結果を、特性曲線の図を使って説明せよ。
上記実験の(5)で観測された、入出力信号間の位相差を特性曲線の図を使って説明せよ。

2000.04.01.
2001.05.12.（最終更新）
fmiso@sccs.chukyo-u.ac.jp

Transistor Circuit 実験課題：トランジスタ回路（全２回）

実験１：固定バイアス方式交流増幅回路

検討課題

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実験課題：トランジスタ回路（全２回）