Counter Circuit

実験課題:計数同期回路(全2回)


実験課題「計数同期回路」の実験手順について書かれています。

以下の課題を行い、実験方法、真理値表、回路図および実験結果を具体的に報 告せよ。

注意

回路の動作はLEDの点灯/消灯として記録し、真理値表または動作表と比較す ること。

実験1

74LS112(ネガティブエッジトリガJK−FF)のFF2を使用してT −FFを作製し、その動作を確認せよ。

実験2

74LS293(2進×8進バイナリカウンタ、教科書p.196参照)を使用し て16進カウンタを作製し、その動作を確認せよ。

実験3

実験2の16進カウンタに、前回の実験で作製したチャタリング防止回路の出 力を使用せず、トグルスイッチのオンオフパルスを直接入力しチャタリング現 象を確認せよ(チャタリング防止回路のPR(またはCLR)端子が、チャタ リングのある信号として使用可能)。

実験4

実験2で作製した16進カウンタを12進カウンタに変更せよ。その上で、ファ ンクションジェネレータから1HzのTTLレベルの方形波を入力し、12秒 経過したらLEDが点灯する回路を作製せよ。

実験5

74LS163を2個使用して60進カウンタを作製せよ。その出力を、74 LS248を2個、TLR320を1個使用して、入力パルス数を数字表示 (00〜59)させよ。LS163、LS248、TLR320の使い方につ いては付録を参照。

2001年度からは実験4と5の内容は以下のとおりとする。

実験4
(いままでの実験5)
74LS163を2個使用して同期式60進カウンタを作製せよ。その出力を、74 LS248を2個、TLR320を1個使用して、入力パルス数を数字表示 (00〜59)させよ。LS163、LS248、TLR320の使い方につ いては付録を参照。
実験5
実験4と同様にして、同期式12進カウンタを作成せよ。 (2001年度は移行措置として非同期式カウンタでもOKとするが、 同期式なら実験7で回路を再利用できる)

実験6

実験5(2001年度は実験4)で作製した同期式60進カウンタに、 さらに同期式60進カウンタを追加し、1時間時計 (00:00〜59:59)に変更せよ。

実験7

実験5(2001年度は実験4)で作製した同期式60進カウンタに (実験5で作製した)同期式12進カウンタを追加して、 12時間時計を作製せよ。ただしこの時計に0時はなく、01:00:00〜12: 59:59を表示するように12進カウンタを修正せよ。

注意

実験終了確認時に実験7の動作確認をするので、回路を持参すること。 接続を容易にするため、電源(+、−)、クロック入力端子はブレッドボー ドの陸軍端子を使用すること。

検討課題

高速動作における、非同期カウンタの有利な点と不利な点を、それぞれ理由を 挙げて説明せよ。

付録

  1. 74LS163は、同期クリアおよび同期プリセットを持った同期式16 進カウンタである。図1に、そのピン配置図を示す。
    ここでの同期とは、全ての動作がクロック(の立ち上がりエッジ)に同期して いるということである。以下に例を挙げると、
    • 同期クリア端子は、アクティブ(ここではL)にしてもすぐに機能せず、 次のクロックが来たときに出力がクリアされる。
    • プリセット端子は、セットしたい値を入力し、LOAD端子をアクティブに すれば、次のクロックが来たとき、プリセット端子に入力されていた値が出 力に現れる。
    などがある。
    また、RCOはリップルキャリーアウトの略で、イネーブルT端子がHかつカウ ンタ出力がすべてHのときHを出力する。
    イネーブルPはカウンタの単なるスタートストップ用のイネーブル端子であり、 Tは多段連結するときのイネーブル端子である。P、Tが同時にアクティブの ときクロックパルスに従ってカウント動作を行う。下位桁カウンタのRCOをす ぐ上位桁カウンタのTに接続すると16進2桁のカウンタとして連動させるこ とができる。


    図1:74LS163ピン配置

  2. 74LS248は、BCD7セグメントデコーダである。2進化10進数 (BCD)がA(20)、B(21)、C(22)、D(23)の端子に入力さ れた時、7セグメントLEDが対応する10進数を表示できるように、表1の ようにa、b、c、d、e、f、g端子をアクティブにする機能を持つ。図2 にピン配置を示す。なおこの74LS248と後述のTLR320の接続は、 aとA、bとB、......fとF、gとGを対応させて接続すること。


    図2:74LS248ピン配置

  3. TLR320は、10進数字を2桁表示できるようにした数字表示器であ る。0から9までの数字を7つのセグメント(LED)で表示することから、7 セグメントLEDと呼ぶ。
    7セグメントLEDには、LEDのカソード側が1本の共通ピンにまとめられ ているカソードコモンタイプと、アノード側がまとめられているアノードコモ ンタイプがあり、TLR320はカソードコモンタイプである。ピン配置を図 3(a)に、その内部構成を図3(b)に示す。


    図3 2桁表示7セグメントLED TLR320


2000.04.01.
2001.06.29.(修正)
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