OpAmp Circuit

実験課題:演算増幅回路(全1回)


実験課題「演算増幅回路」の実験手順について書かれています。

注意:あらかじめ、実験に必要なデータ記録用紙、グラフ用紙等を準備してお くこと。


一般にオペアンプの電源は、+側電源と−側電源が必要である。そこでこの実 験では、机上に用意されている定電圧電源装置を2台使用する。

準備

まず、一つの電源装置の−端子とGND端子(中央にある+ねじの端子)をショー トバーで短絡して、これを+側電源(−接地)とし、他方の電源装置は、+端 子とGND端子をショートバーで短絡し−側電源(+接地)とする。その上 で、この2台の装置のGND端子を互いに結んでこれを共通GND(0V)と する。
次に、各電源装置の電圧をテスタにより+15Vおよび−15V(いずれもGNDを基 準とした電圧)に設定した後、以下の実験を行う。

注意

本実験の交流周波数帯では電圧測定にテスタは使用できないので、オシロスコープで振幅を測定する。

実験1:反転増幅回路

図1の回路を作製せよ。なおIC(LM741)のピン配置は、この章のテキストの 付録を参照すること。


図1:反転増幅回路

  1. 最初に、作製した回路の直流入力電圧による増幅率を測定する。入力信号 として、直流電圧−10V〜+10Vの電圧(3台目の定電圧装置を利用する) を与えて、入力と出力の電圧をテスタで10点ほどグラフに表わしながら測定し、 その結果から増幅率を求めよ。またこの結果を、使用した抵抗の値(テスタに より測定せよ)から計算した理論値と比較せよ。
  2. 次に交流電圧の増幅率(周波数特性)を求める。交流入力信号源としては ファンクションジェネレータにより、振幅1Vの正弦波を用いる。測定する 周波数帯域は100Hzから100kHzとし、入力波形と出力波形のピーク値を10点ほ ど測定し、それぞれ増幅率を求め、周波数と増幅率の関係を片対数グラフで表 わせ。

    注意:実験は1点測定するごとにグラフ用紙にプロットし、グラフ曲線が正し く描けるように測定点の間隔が広いところは測定を追加し、密なところは測定 しないようにすること。また、グラフの折れ曲がり付近は多めに測定し、 どこから曲がり始めるのかを明確にせよ。

    注意:入力波形の振幅は周波数を変えると変化することがあるので、毎回同一 の振幅になるように調整すること。

実験 2:周波数特性

図1の反転増幅回路において、振幅が1Vで、周波数1kHz、10kHz、100kHzの正 弦波を入力に印加し、それぞれの周波数毎に入力波形と出力波形を記録せよ。

注意:周波数レンジを調整し、入力波形をほぼ同一形状にして出力波形を観測 すると、出力波形の変化がよくわかる。

実験 3:加算回路

図2の回路を作製し、次の実験を行う。ただし固定抵抗R1 , R2 , R3は 10kΩ〜100kΩの間で、互いに異なる値のものを、出力波形の大きさを考慮して適当に選 択せよ。


図2:加算回路

(1)入力1として直流電圧−2Vを、入力2として振幅1V、周波数1kHzの三角波 を入力する。このときの入力と出力の波形を観測、記録せよ。

(2)使用した抵抗R1 , R2 , R3の値から設計値(理論値)を計算して(1)の結果と比較せよ。

検討課題

  1. 図3の回路の増幅率を求める計算式を示し、その値を計算せよ。


    図3:検討課題回路

  2. 図4(a)の入力波形に対して、(b)の出力波形(利得0.5、同一位相)が得 られる演算増幅回路の一例を示せ。


    (a)入力波形             (b)出力波形
    図3:検討課題波形


2000.04.01.
fmiso@sccs.chukyo-u.ac.jp